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「目やに・涙やけ」から、犬や猫がかかりやすい目の病気を知る

■「目やに」と「涙やけ」ってどう違うの?■




犬がかかりやすい目の病気を見ると、症状に現れるのは『「目やに」の色や量』『涙やけ』などが挙げられます。

では、「目やに」とはなんでしょうか?
目糞・目屎(めくそ)や目垢(めあか)などとも言われたりしていますね。
「目やに」は、医学的には「眼脂(がんし)」といいます。

「涙やけ」とはなんでしょうか?
人では「涙目」、犬では「涙やけ」といわれていますが、医学的には「流涙症(りゅうるいしょう)」という病名がついています。

私たち人間は、自分で涙や「目やに」を拭ったり、目を洗ったり、目薬をさしたりすることができます。しかし、犬は自分ですることはできません。ですから、犬の飼い主が、目の手入れをしてあげます。犬の目の手入れの仕方だけではなく、「涙やけ」の原因や「目やに」の症状で判断できる病気などを知っておくことは大切です。


■人にはない、3つ目のまぶた■



目に入ったゴミや老廃物を、犬は自分で取り除くことはできませんが、犬の目の目頭には眼球とまぶたの間に3つ目の眼瞼(まぶた)があります。この3つ目のまぶたのことを第三眼瞼といいます。第三眼瞼はまぶたとは別に水平方向に動く透明状の膜で、角膜の上に付着したゴミを払いのけるワイパーのような役割をして眼球を保護しています。人間にはありません。

両生類や鳥類、爬虫類などが持っています。犬もこの第三眼瞼があります。でも、普段は見えず、これた見えるときは犬の場合はチェリーアイ(第三眼瞼突出)という病気が疑われます。


■涙の役割、知っていますか?■




涙は、眼窩(頭蓋骨の目のくぼみ)の内側の目尻よりの下にある涙腺で、血液を原料に合成されます。涙の役割は眼の表面を潤し、老廃物を洗い流し、眼に栄養を与えます。

また、涙は3層構造になっていて、眼の表面を常に潤す仕組みが成り立っています。涙の形成と涙の排出の仕組みは導涙機能とよばれ、分泌量と排出量が絶妙なバランスを保つようにコントロールしています。このバランスが何らかの原因により崩れると、ドライアイ(涙の量や質が変化して、角膜や結膜に傷がついてしまう)や流涙(涙がこぼれる)などの症状を引き起こします。

まばたきをすると、涙は涙腺から排出管を通って目の表面に流れます。そして、目の表面を潤した後は上下のまぶたの目頭側にある涙点(自分で見ることができます)から涙裹を経て鼻の奥の鼻涙管を通っていくうちに粘膜に吸収されます。

涙腺から出る涙の量が涙点に流れ込む量よりも多ければ目の表面からあふれ、鼻涙管での吸収が間に合わなければ鼻に流れます。(余談ですが、人が泣くと出る鼻水は実は涙なのです。)


■「目やに」についてさらに詳しく知りたい!■




英語では「目やに」を“sleep in your eyes”といいます


目の表面は、常に涙の膜で覆われています。瞬きすることで涙の膜も入れ替えられ、老廃物も一緒に涙道を通って鼻から喉へと流れていきます。つまり、目は一日中粘液を分泌していますが通常はまばたきをするたびに涙の薄い膜が洗い流しているので、目の中で固まることはありません。

しかし、睡眠中は瞼を閉じているのでこの涙の循環が行われず、分泌液が目尻に溜まり、時にはまつ毛に沿って「目やに」を形成します。
ですから、朝起きた時に「目やに」がついていたという経験は人ではよくあることですね。

「目やに」は、就寝中に粘液、脂分、皮膚細胞などが混ざって目尻などに溜まったもの


カタル性分泌物と呼ばれることもある「目やに」は、涙液膜や眼球の表面に付着した老廃物や有害なゴミを除去するという保護機能があります。湿って粘り気があるか乾燥してカサカサしているかは液体分がどれだけ蒸発したかによります。


■病院に連れて行ったほうがいいのかな?「目やに」見極めポイント■




目の病気ではない「目やに」のタイプ


・目についたゴミやホコリが固まると、黒っぽい乾燥した「目やに」が出ることがある
・目の細胞の分泌物や老廃物が固まると、茶色や灰色っぽい「目やに」が出ることがある(特に寝起きにみられる「目やに」のタイプです)

また、犬は年を重ねると「目やに」が出やすくなります。人も犬も年齢とともに代謝が衰えて涙の量が減り、老廃物などが目にたまりやすくなるからです。そのため、若いころに比べて「目やに」の量が増えたとしても、朝起きたときに少し「目やに」がつく程度であればほとんど心配はいりません。

高齢犬では、歯がグラグラと浮いていると咀嚼や排泄の際などに痛みを生じ、それに伴い神経が刺激され、透明の「目やに」が出ることもあります。

動物病院を受診してほしい「目やに」のタイプ



目頭にたまる白くトロッとした「目やに」は、皮脂腺の分泌物や目の粘液のかたまりですが、目を覆うように「目やに」が出たり、毎日続いたり、「目やに」の色がいつもと違う、臭うなどの症状があれば動物病院を受診したほうが安心です。

(1)黄色/緑色の「目やに」
ドロッとした黄色っぽい、または緑っぽい「目やに」は結膜炎やドライアイの初期症状などで見られやすいです。

(2)水っぽい「目やに」
水っぽい「目やに」が見られたら、結膜炎や角膜炎が起こり始めているサインです。
その後、白や黄色の「目やに」に変化したり、量が増えたりした場合は悪化しているおそれがあります。

(3)「目やに」が臭い
菌が繁殖している可能性があります。放っておくと結膜炎などの病気を引き起こしたり、目のまわりの被毛が変色したりする涙やけの原因にもなります。


■「目やに」を取り除く方法■




目頭などで固まってしまいどうしても取れない「目やに」の場合、無理に擦り取れば目元の毛が抜けてしまうので、お湯が湿らせたコットンやガーゼなどで固まっている「目やに」にしばらく当てます。固まった「目やに」がふやけてきたら拭き取ります。


■涙やけ(流涙症)についてさらに詳しく知りたい!■




流涙症の犬は、つねに涙があふれ出て濡れた毛が赤茶色に変色しています。美容上の問題となることが多いですが、犬が気にして皮膚をこすると、炎症を起こして皮膚病につながる可能性もあります。

原因


●逆まつ毛・眼瞼内皮症・結膜炎など
●鼻涙管の詰まり
●水分不足
●ドッグフード(たんぱく質の質と人工添加物)
●生まれつき涙管が細い
●目の周りの筋肉の未発達により涙の排泄が上手くいかない
●アレルギーなどによる角膜の炎症
 

症状


●大量の涙が溢れ出て目頭や目の周りが濡れる
●目の下が黒く汚れたり、鼻筋に涙のラインができたりする
●目の周囲が常に濡れているため細菌が増えて皮膚炎を起こす
●顔全体の広範囲にまで及ぶこともある

流涙症になりやすい犬種


シーズー、マルチーズ、トイ・プードル、ヨークシャー・テリア、パグ、チワワ、ゴールデンレトリバー、コッカ―スパニエル、ベドリントンテリアなどに流涙症が多いといわれています。犬種によっては目頭部分に毛が多い犬もいます。目頭の毛が眼側に付着すると、その毛を伝って涙が眼外に流れだします。その毛を抜くと一時的に症状が緩和することもあります。


■涙やけは予防することができても、飼い主が自力で治すことはほぼ不可能です■




一度涙やけになるとなかなか治りづらいといわれています。特に、茶色に染まってしまった目の周りの毛は元に戻すには時間がかかります。日々の目の周りのケアが重要です。

涙が溢れていると思ったらこまめに拭いてあげたり、毛に涙が付着しないように短くトリミングしたりしておくなどいろいろな予防方法があります。それでも、涙やけになってしまった時は動物病院できちんと診察してもらいましょう。

診てもらうことで涙やけの原因を的確に見つけることができ、処方薬をもらうことができます。
この処方薬は主に抗生剤、人工涙液、消炎剤、保護剤などの点眼薬をもらうのが一般的です。


■目のトラブルを避けるために!普段からの対策には漢方もおすすめです!■


ペットの健康維持に漢方を使うこともお勧めです。「目やに」「涙やけ」をはじめとして、様々な目のトラブルに漢方を活用することが出来ます。

■「目やに」「涙やけ」でわかる、目の病気■



角膜炎


角膜炎は角膜に刺激が加わることで発症する病気です。
犬が角膜炎になると「目やに」や涙の量が増えたり、しきりに目を気にしたりするなどの症状が見られます。

結膜炎


結膜炎は、まぶたの裏と眼球の表面を覆っている結膜がアレルギー、ウィルスや細菌感染などで炎症を起こす病気です。結膜炎にかかると、目が赤く充血し腫れます。そして、「目やに」や涙を流す様になります。それと同時に痒みを伴う為、床に顔を擦り付けたり、前足で目を掻いたりします。主に軟膏や点眼薬などを投与して内科治療を行いますが、原因が生活環境によるものが多い為、繰り返してしまいがちな病気です。

眼瞼内反症【逆さまつげ】


眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)、逆さまつげの原因は先天性疾患が原因とされています。瞼が内側に巻き込む、または、まつ毛が生えている位置や向きが通常より内側を向いていることにより眼球が傷付いてしまいます。

この様にまつ毛が眼球を刺激しているため痒みが伴い、犬は目を擦り、涙のような透明の「目やに」を出すようになります。

軽度であれば点眼薬などを投与し、結膜炎などの併発を防ぎますが、逆さまつげ自体を治すことはあまりありません。しかし、症状が深刻な場合は手術をする場合もあります。

ぶどう膜炎


ぶどう膜とは眼球の中の虹彩・毛様体・脈絡膜といった部位の総称で、ぶどう膜炎はこれらが炎症を起こした状態のことです。犬がぶどう膜炎になると、目の充血や「目やに」などの症状が見られるほか、目の痛みから頻繁にまばたきをしたり、目を床にこすりつけるしぐさをしたりすることもあります。また、緑内障などのほかの目の病気を引き起こすおそれもあります。

白内障


白内障とは、本来透明であるはずの水晶体の一部または全体が白くに濁り、視覚が失われていく目の病気です。ごく軽度の白内障では、目がうっすらと濁ったように見える程度ですが、症状が進行すると徐々に目の色が真っ白になってしまうほか、ぶどう膜炎などの合併症を引き起こし、「目やに」を含むさまざまな症状が見られることがあります。

■獣医師直伝!点眼薬(目薬)のさしかた■


まずは、犬を保定します。
犬をオスワリさせて、犬の体を自分の膝で挟みます。犬に点眼薬が見えないよう背後から手を出し、頭とあごを支えます。
(1)キャップを外した点眼薬を持ち、犬の背後から片方の手であご下を支えて、犬の顔が動かないように固定します。同時に点眼薬を持ったほうの手の薬指か小指を犬の目の上に当てて押さえます。
(2)点眼薬を持った手の薬指か小指で犬の目の上とおでこを押さえながら、まぶたを軽く引き上げ、後ろから点眼薬を垂らします。あふれた点眼薬は清潔な不織布などで拭きましょう。



■「目やに」と「涙やけ」を予防するにはどうすればいいの?■




目の周りの手入れ


●目の周りの伸びた毛などが目に入るのを防ぐために、目の周りを短くカットする
●「目やに」は濡れたウェットティッシュや濡らしたガーゼなどでやさしく拭き取る
●被毛や皮膚にやさしいお手入れ用ローションなどを使う
●素材のやさしいコットン系などのガーゼで目の周りを拭き取る
ティッシュペーパーで拭くのは目を傷つけたり刺激になったりするのでNG!

食事面からのケア


遺伝的要素のある目の病気については、なかなか治療が難しいものがあります。しかし、「涙やけ」などの症状は、毎日愛犬が口にするフードに含まれる添加物などによるものが原因ともいわれています。できれば愛犬の食事は、添加物を含まない消化吸収に優れた安心安全なものを与えてあげましょう。食事を変えたら、涙やけが良くなり毛艶まで良くなったということが報告されています。


■犬もストレスがたまると、体調不良を起こし病気の原因につながります■




涙やけも体調不良のひとつです。短い時間でも散歩に連れていったり、飼い主とボール投げなどをしたり、遊ばせることでストレスを発散してあげましょう。適度な運動は健康維持にもつながります。

もちろん運動だけでなく、犬の寝床をきれいにしておくことや、食事を毎日決まった時間にあげるなど、リズムよく生活をすることで犬のストレスも軽減されます。愛犬が過ごしやすい環境づくりというのも疾病予防のひとつです。

そして、「目やに」や涙やけがひどいと思うときは、ぜひ動物病院を受診してください。


■「目やに」「涙やけ」になる前に…漢方薬の効果と効能■




色の濃い「目やに」には、抗炎症・抗ウイルスの漢方


漢方の中には抗炎症だけではなく、抗ウイルス作用がある処方もあります。中でも荊防敗毒散(けいぼうはいどくさん)が有名で、皮膚炎症の初期症状から風邪の引き始め、特に喉から来る風邪に応用されます。

荊防敗毒散(けいぼうはいどくさん)


(1)化膿を伴った皮膚疾患
(2)頭部や筋肉のひきつけ

■組成
茯苓(ぶくりょう)    :サルノコシカケ科、利水滲湿薬 — 利水消腫薬/平
人参(にんじん)     :ウコギ科、補虚薬 — 補気薬/微温
柴胡(さいこ)      :セリ科、解表薬 — 発散風熱薬/微寒
荊芥(けいがい)     :シソ科、解表薬 — 発散風寒薬/微温
防風(ぼうふう)     :セリ科、解表薬 — 発散風寒薬/微温
連翹(れんぎょう)    :スイカラズ科、清熱薬 — 清熱解毒薬/寒
桔梗(ききょう)     :キキョウ科、化痰薬/平
枳実(きじつ)      :ミカン科、理気薬/微寒
川芎(せんきゅう)    :セリ科、活血化瘀薬 —活血止痛薬/温
生姜(しょうきょう)   :ショウガ科、解表薬— 発散風寒薬/微温
羌活(きょうかつ)    :セリ科、解表薬 — 発散風寒薬/温
独活(どくかつ、どっかつ):セリ科、怯風湿薬/微温
前胡(ぜんこ)      :セリ科、化痰薬/微寒
金銀花(きんぎんか)   :スイカラズ科、清熱薬 — 清熱解毒薬/寒
甘草(かんぞう)     :マメ科、補虚薬 — 補気薬/平

■生薬の解説
・茯苓は、消化管の水や、関節内の水、筋肉内の浮腫、組織間の水など、過剰な水分を血中に吸収して利尿します
・人参には脱水を防ぐ作用とともに、健胃作用があり、身体の潤いをつけ体力を補います
・柴胡、前胡には、半表半裏の清熱作用があります
・桔梗には、去痰排膿作用があり(ビソルボン類似作用=痰をうすめて粘りをとり、吐き出しやすくします。また、気道粘膜の線毛運動をよくして、痰の排出を助ける)甘草と組んで咽頭を治す消炎作用があります。枳実にも硬結を緩め、消炎排膿の働きがあります
・荊芥、防風、連翹の3味は葛根のように皮膚の熱と毒を発散して、諸薬を体の表面で働かせ、「荊防連」と呼ばれています。羌活、独活は駆風除湿剤として「荊防連」とともに体表部の水毒を除きます
・独活、桔梗には利水作用があります
・金銀花には消毒解毒作用があります
・生姜は体の表面と体内を温めます。さらに胃の働きを改善し、余分な水分を除きます。健胃鎮嘔作用もあります
・甘草は胃腸機能を整え、緊張を取ります。肺の潤いを補い、薬物、食物の中毒を解毒し、諸薬を調和します
 そのほか血流改善で有名な田七人参(でんしちにんじん)にも抗炎症・抗ウイルス作用があり、応用されます。
・田七人参(でんしちにんじん)
田七は、朝鮮人参と同じくウコギ科ニンジン属の薬用植物です。中国では三七人参という名で呼ばれ、お金にもかえがたい貴重な生薬という意味で 金不換とも言います。漢方の世界では、「一切の血病を治す」と言われ「血」の巡りを強力にサポートします。また「血」 の巡りに伴って「水」の巡りも促されます。朝鮮人参の10倍ものサポニンが含まれており、肝臓の特効薬として注目を浴びています。


「ドライアイ」には、血を増やし、体を潤す漢方がおすすめ



ドライアイは、漢方の観点から血の不足が原因だと考えられています。血を増やす処方としては、四物湯(しもつとう)が有名です。

四物湯(しもつとう)



(1)貧血
(2)瘀血(おけつ)
(3)月経異常

血虚という血が不足する病態に用います。補血作用があり、皮膚・筋肉・骨の老化防止、止血作用などがあります。

■組成
当帰(とうき)     :セリ科、補虚薬 — 補血薬/温
芍薬(しゃくやく)   :ボタン科、補虚薬 — 補血薬/微寒
川芎(せんきゅう)   :セリ科、活血化瘀薬 —活血止痛薬/温
(熟)地黄(じゅくじおう):ゴマノハグサ科、補虚薬 — 補血薬/微温

■生薬の解説
・当帰と川芎には、皮膚、筋肉、関節、骨、神経などを温める作用があり、皮膚、四肢末梢の血行を促進して冷え性を治します。また動脈の血流を良くして、瘀血(注1)を除く作用を助ける。当帰は主に四肢、下半身の血流を良くして冷え性を治す。川芎は主に上半身の血流を良くして頭痛を治す
・芍薬には、筋肉の異常緊張を和らげる作用がある。また血液成分の中の水分を利水する
・地黄、芍薬には止血作用があり、主に静脈性の出血に用いる。特に地黄には消炎止血作用や血流の異常を正常化する作用がある

(注1)瘀血(おけつ)は、血液の流れが、何らかの原因で滞ってしまった状態である。瘀血によって、毛並みが悪くなったら、筋肉痛や頭痛などの痛みなどの症状が現れる。

また、生薬としては亀の甲羅である亀板(きばん)が汎用されます。
・亀板(きばん)
カメ科クサガメの腹甲を乾燥したものです。働きは、スッポンと近いですが、スッポンよりも体を潤す力が強いです。アンチエイジングの生薬としても有名です。


「涙焼け」には、水分代謝をあげる漢方



「涙焼け」の原因は様々ですが、漢方の場合は、水分代謝の低下を上げることが得意です。
水分代謝をあげる処方としては、五苓散(ごれいさん)が有名です。

五苓散(ごれいさん)



五苓散と猪苓湯は駆水剤の代表
(1)口渇
(2)尿減少
(3)嘔吐

嘔吐、下痢症などに用いる。頭痛、腎炎、帯状疱疹などに用いる。水毒を治す効果あり。

■組成
猪苓(ちょれい)  :サルノコシカケ科、利水滲湿薬 — 利水消腫薬/平
茯苓(ぶくりょう) :サルノコシカケ科、利水滲湿薬 — 利水消腫薬/平
沢瀉(たくしゃ)  :オモダカ科、利水滲湿薬 — 利水消腫薬/寒
桂枝(けいし)   :クスノキ科、解表薬 — 発散風寒薬/温
白朮(びゃくじゅつ):キク科、補虚薬 — 補気薬/温

■生薬の解説
・白朮、茯苓は、消化管内、関節内、筋肉内、組織間の水など、過剰な水分を血中へ移動させて、利尿する
・猪苓と沢瀉は腎臓に働きかけて、血中の過剰の水分を尿として排出する
・桂枝は、腎血流量を良くして利尿を助ける

また、生薬としては、美肌でも有名な薏苡仁(よくいにん)があります。

薏苡仁(よくいにん)


イネ科ハトムギの種皮を除いた種子です。イボを取る生薬としても有名です。漢方の世界では、特に関節や皮膚付近の「水」の巡りを良くし、毛並みの改善にも期待できます。

以上のように目のトラブルにも漢方は有効です。さらに、普段から漢方を取り入れることで目の問題以外も解決することが出来ます。

例えば、ドライアイを改善し、潤す生薬は、血の量を増やすことで毛並みが改善したり、筋力がついたりします。涙焼けを改善する漢方では胃腸の改善なども期待できます。
ぜひ、漢方の専門家にご相談ください。